公益社団法人 日本海員掖済会 宮城利府掖済会病院

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【第24号】誰でも一秒ごとに、ダンス、ダンス、ダンス!

※左より時計周りに、ももんが、おこじょ、倉木麻衣、えきさいストリートダンス教室ポスター

◎ダンス甲子園
 私(以下ももんが)がストリートダンスに興味を持ったのは今から20年ほど前。当時『Zoo』のダンスがいいなと思い、また『天才たけしの元気がでるテレビ』の『ダンス甲子園』に夢中となった。しかし、『ダンス甲子園』見ているだけでは踊れるようにはならず20年の月日が流れた。数年前、通っているスポーツクラブにヒップホップダンスのクラスがあることを知り『やっているな』と横眼でながめること約一年。眠っていたダンスへの情熱がふたたび蘇り、ある時意を決してインストラクターに訊いた。『ダンスの経験が全くないんですけど踊れますか』と。インストラクター(後述のO氏=おこじょ)曰く『続ければ大丈夫です』。その瞬間『ももんが』は、ストリートダンスを踊ろうと決心したのである。あれから約3年、師匠の教えどおり『一秒ごとのダンス』を実行。外来診察時の聴診などで体を動かさず聴診器だけ動かす(アイソレーション)、病室に入る時は胴体を先に回し次に頭を回す(ネックオーフレックス)などの努力を重ねてきた。その成果あってか近頃は『スポーツクラブのスタッフに笑われる』ことはなくなったようである。

◎倉木麻衣
 ある製薬会社のMRさん曰く『今週、倉木麻衣のコンサートありますよね。行かれるんですか?』。このMRさんは『一秒ごとにLove for You』の倉木麻衣と同じ立命館大学出身。そんなこともあり、『ももんが』が昨年『ストリートダンス武者修行』と称して倉木麻衣のコンサートにはじめて行ったこと(この手のコンサート行くこと自体が初体験)を知っているのである。倉木麻衣は『ももんが』が掖済会病院に赴任した8年ほど前によく聴いていた女ブライアン・フェリーといった感じのR&Bシンガー。ストリートダンスを踊りはじめた関係で近頃再びお世話になっている。そんなことで、昨年秋『ストリートダンス武者修行』の場として倉木麻衣のコンサートを選んだのであった。

 今年もチケットは既に買ってあった。しかし年齢的にはまちがいなく最長老の聴衆の類。黒髪の聴衆が大半の中での白髪であり、ただでさえ浮いている。秦の始皇帝陵墓の『兵馬俑』(へいばよう:ももんがNo.22参照)の様にただ立っていて踊らず手だけ動かしている聴衆が大半の中で、白髪の『ももんが』が一人ストリートダンスを踊るのは浮きまくりだろうなあと躊躇していたのである。週末の家族サービスがままならない中で1人コンサートに行くのも気が引けていたし...。でも行った。

 ステージではダンサーがR&Bのリズムに合わせて踊っており、『ももんが』もそれに合わせストリートダンスを踊っていたが、ステージの倉木麻衣から『兵馬俑』の方々向けに、『手を左右に振れ』、『前後に振れ』など様々な指示が出される。『姫』の指示どおり動かないと会場では浮くので、仕方なく指示の動きとストリートダンスの動きを同時にやるが、これが結構難しい。それとロックのリズムになり一部の『兵馬俑』達がぴょんぴょんジャンプしだす時に『ももんが』はストリートダンサーとしてどう踊るべきかという課題も残った。

◎『えきさいストリートダンス教室』
 『ももんが』のストリートダンスの師匠O氏(以下『おこじょ』:写真参照『おこじょ』はO氏のこの夏の鳥海山みやげ)は常々言う。『ストリートダンスは難しくない』、『ストリートダンスは若者だけのものではない』、『老若男女全てにストリートダンスを踊ってもらいたい』、さらには『患者さんもストリートダンスを踊って元気になってもらいたい』と。『おこじょ』独特の『ストリートダンス観』である。そんな『ストリートダンス観』を持って師匠『おこじょ』は老健施設などに出向き『お年寄りにダンスを教えたい』などと申し出る。しかし老健施設の職員にはなかなか『おこじょ』の『ストリートダンス観』は伝わらず、いつも門前払いだそう。たまたま弟子『ももんが』は医療現場におり、かつ『コブラ』を肩こり治療に使えないかなどと考えていたこともあり師匠『おこじょ』の『ストリートダンス観』にはピンと来た。『それじゃ、うちの病院でストリートダンスの教室をやりますか』と提案したら師匠『おこじょ』は大乗り気。そして当院の経営会議でストリートダンス教室開講が議題となった。 経営会議では、『下品な音楽が流れるのではないか?』、『やりたい人はいるのか?』 など様々な懸念が持ち上がったが、平成21年9月某日、当院職員を対象とした第1回『えきさいストリートダンス教室』が遂に開催されたのである。師匠『おこじょ』の親しみやすい指導で参加者全員が『ストリートダンスは難しくない』、『誰でもダンス、ダンス、ダンス!』が実感できた教室であった。流された音楽が『下品』と感じた人もいなかったようであった。

発行日:2009.10.13