院長挨拶
2025年1月
院長 菅野 明弘
令和7年の年頭にあたり謹んでご挨拶を申し上げます。
昨年は能登の震災に始まり、夏場の猛暑や豪雨など、天災による被害の甚大化が心に刻まれた年でした。また、国際情勢はロシア に よるウクライナ侵略戦争やイスラエルによるガザ侵攻の長期化と拡大、シリアでのアサド政権崩壊後の混乱など、政治・経済面でも 益々混迷の度合いを増しているように思われます。
新型コロナウイルス感染症の5類移行後は、外食や旅行、スポーツ観戦など皆様の生活がコロナ禍前の状況に戻ってきたわけです が、当院においても対面での面会を再開しています。しかし、5類になったからといってウイルスが消滅してしまったわけではなく、 流行時期には、タブレットを使ったWeb面会に変更するなど柔軟な対応が必要となります。
現在もインフルエンザと共に新型コロナウイルス感染拡大が続き第12波の真只中にありますが、「コロナ医療」と「通常医療」 と を両立させながら全職員一丸となって取り組んでいます。重症化率があまり高くないことも幸いし、外科手術を含めた「通常医療」を 提供する機能を維持したまま、令和7年を迎えることができました。
昨年はフラットパネル化レントゲン装置や新型コロナウイルスを含む15種類ものウイルスの迅速診断に対応できるPCR診断装 置 を複数台導入しました。そして、フィルター付き陰圧装置の大幅な増設・更新に加えて、第2リハビリ室を設置し、訓練時の感染リス クの低減を図りました。本年は最新の血液分析装置や血液透析装置への更新などにより、検査のスピード化と高精度化により診療の質 の向上を実現したいと考えています。こうした最新機器の導入や数年来注力してきた地域連携強化、院内スタッフのチーム医療の推進 は、安全・安心で質の高い医療の提供に結び付くものと考え、今後もさらに継続強化して参ります。
令和7年の干支は、乙巳(きのとみ)です。乙「きのと」は、草木がしなやかに伸び広がっていく状態を表し、巳「み・へび」 は、 神様の使いとして大切にされてきた動物で、脱皮をするたびに表面の傷が治癒することから、治療、再生のシンボルと考えられていま す。そのため乙巳(きのとみ)の年は、「再生や変化を繰り返しながら柔軟に発展していく」年になるとされています。新型コロナ感 染症はもとより、自然災害や混迷度を増す政治経済情勢にも、粘り強く柔軟に対応し発展する年となることを願います。
最後になりますが、掖済(導き・助ける)の精神に基づき、親切・丁寧な医療を心がけ、しっかりとした、安全で良質な医療をお 届 けし、地域の皆様のご期待に添う令和7年にしたいと存じます。皆様のご健康とご多幸を祈念するとともに、変わらぬご厚情とご支援 を賜りますようお願い申し上げます。