公益社団法人 日本海員掖済会 宮城利府掖済会病院

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院長挨拶

2023年1月
院長 菅野 明弘

 令和5年の年頭にあたり謹んでご挨拶を申し上げます。

 昨年はロシアのウクライナ侵攻、地球温暖化による災害や新型コロナウイルスなどあまり明るい話題がありませんでしたが、11月から開催されたサッカーのワールドカップは大いに盛り上がりました。日本代表は予選リーグで強豪国とも互角に戦い1位突破し、決勝トーナメントの初戦で敗れたものの、後にブラジルを破るクロアチアとPK戦まで戦ったのです。目標のベスト8には届きませんでしたが、日本代表のフェアーで献身的なプレーには世界中の人々から称賛の声があがったようです。

 新型コロナウイルス感染症との闘いは、4年目を迎えました。現在も感染拡大が続き第8波の真只中にあります。オミクロン株BA.5、ケルべロス、グリフォン、最近ではXBB.1.5など次々と心配な変異株が登場してきます。オミクロン変異株から新たに派生したこのXBB.1.5はオミクロン派生型の中で最も感染力が強いとされています。まだ、知見は少ないですが、迅速な検査、経口抗ウイルス薬、最新のワクチンなどの対策で重症化を防げるようです。一方、中国では再度感染爆発があり、高リスクの変異株が生まれるのではないかと懸念されています。

 政府の方針で、一般社会ではウィズ・コロナの生活に舵を切ったようですが、医療の現場では、まだ完全にゼロ・コロナ継続が求められています。この為、入院中は面会が出来ず、タブレットを使ったWeb面会を実施していますが、対面の面会再開時期はまだ見通しがたたない状況です。

 当院は、令和4年秋までは新型コロナ患者の入院治療には参加せず、「通常医療」を最大限供給することに加えて、積極的に発熱外来やワクチン接種を行うことで、地域の医療崩壊防止に貢献して参りました。

 しかし、令和4年夏以降の新型コロナ第7波と第8波では宮城県における医療逼迫が大変厳しいものとなってしまいました。このため感染対策委員会を発展させ感染管理室を創設し、新型コロナを中心とした感染症への対応力を強化し、病室陰圧装置の導入など、できる限り院内感染拡大の予防に努めつつコロナ病床を作り、この事態に対応することとしました。

 現在も「コロナ医療」と「通常医療」とを両立させながら全職員一丸となって取り組んでいます。お陰様で外科手術を含めた「通常医療」を提供する機能を維持したまま、令和5年を迎えることができました。

 当院は、この3年の間、コロナ禍収束後の時代にも地域の皆様から必要とされる医療を継続的にお届けできるよう、しっかりと備えて参りました。3階病棟では看護師配置を10:1から7:1体制に強化し、より手厚い一般急性期看護の提供が可能となっております。今後もこの方針に変更はありませんのでご安心下さい。

 令和5年の干支は、癸卯(みずのとう)です。「癸」は、種子が大きくなり、春とともに萌え出ずる準備状態を表し、卯(ウサギ)は、勢いよく飛び跳ねる生き物であり、また古来より多産の動物の代表でもあります。これまでの努力が実を結び成長し飛躍する縁起の良い年と言われています。今年こそ、コロナ禍で停滞し続けていた世の中に、希望が芽吹く春がやって来てほしいと願います。

 最後になりますが、掖済(導き・助ける)の精神に基づき、親切・丁寧な医療を心がけます。しっかりとした、安全で良質な医療をお届けし、地域の皆様のご期待に添う令和5年にしたいと存じます。今後ともお力添えを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。