【第22号】ソムリエ世界一田崎真也氏の『くやしがり』に学ぶ
ソムリエ世界一田崎真也氏を世界一にしたのは、尋常ならざる『くやしがり』方にあるようだ。自分のあこがれのフランスのとあるレストランに先輩が新婚旅行で先に行くときいて『くやしがり』、ならば自分はフランス留学すると決め、片道の旅費だけでフランスに渡る。帰国して日本のソムリエコンクールに出場するも12人中12位でまた『くやしがり』数年後に1位。また日本ソムリエ協会が国際ソムリエ協会に未入会のため、国際ソムリエコンクールに出場できないことを『くやしがり』、日本ソムリエ協会の理事会で数年にわたり入会の説得をおこなった。1990年の国際ソムリエコンクールでは2位。当然『くやしがり』そして1995年の国際ソムリエコンクールで遂に1位に至るのである。その後も日本にワインの原産地呼称制度がないことを『くやしがり』、エッセイストの玉村豊男氏と一緒に当時の長野県知事田中康夫氏のところに陳情し、即決で長野県に日本初のワイン原産地呼称制度を実現させたのである。氏の『くやしがり』のエネルギーにはただただ圧倒される。
田崎真也氏ほどではないが、かくいう私も『くやしがり』をバネにして行ったことがいくつがある。留学帰りで臨床能力ではかなわないことを『くやしがり』、『東洋医学』という武器で対抗しようとした。空手で3段までこぎつけたのも、小学生の黒帯にかなわないことを『くやしがった』ことがきっかけであった。ワインを勉強しワインエキスパートになったのもあるレストランで美味しくなかったワインをソムリエに『美味しくない』と言えなかったことを『くやしがった』ことがきっかけであった。
最近ちょっと『くやしい』と思ったことがあった。中医学の勉強会終了後、中国人女性のバーに連れていかれたときのことである。他の2人の先生は中国語が喋れるので楽しく中国人女性と会話していたが、私は中国語は喋れないので相手にされなかったのである。かくして『中国語』は私の中に芽生えた新たなテーマとなった。中国語ができれば漢方にも役立つし、中国語外来なんてできれば、グランディーや松島に来た中国人、水産加工場で働く中国人には朗報。病院機能評価にも役立つなんて空想も頭をよぎる。しかしはっきりいって私は疲れている。もういいんじゃないという思いも強い。中国人女性にもてたいという思いがもう少し強ければ勉強をはじめるのだろうなあとは思っている。
発行日:2009.01.05