公益社団法人 日本海員掖済会 宮城利府掖済会病院

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【第09号】謎の呪文?桂枝湯チャイ

【院内診療情報】

◎日本東洋医学会専門医制度が広告可能となり、片寄・我妻両名とも平成18年4月1日付で漢方専門医としての広告が可能となった。

【診療にすこし関係ある情報】

◎『母の日のシャトーディケム』
 今年は様々なことがあり、わが妻も疲れ気味。母の日には息子のプレゼントに『シャトーディケムとフォアグラ』でもと思い、息子にはそっと、『母の日には花でも摘んでおけよ』と言っておいた(『シャトー ディケム』はフランス、ソーテルヌの世界最高のデザートワイン)。『わかった』と息子は一言いった。かつては母の日に『プレゼントを買って置けよ』と言っても何のことかわからず、最終的には私がたてかえてプレゼントを買ったりしたが、かつての息子はなんで私にお金をかえさなければならないかさえわからなかった。それにくらべれば多少は成長したのかと思っていた。

 5月14日帰宅して、息子にそっと『摘んだのか?』と訊いたら、『勉強してるか監視されていて出られなかった』と(なんか理由つけてちょっとでも外に出ろよ!こっちは『シャトーディケム』を買ったんだから)。息子は『ちょっと走ってくる』と言って花を摘みに出て行った。息子は外から戻り『はい、母の日のプレゼント』といって、一輪の花を妻に渡した。妻は『ふーん、母の日なんて覚えているなんて思わなかった』。そこから息子への事情聴取が始まる。『お父さんが言ったから思い出したの?』。息子はバカ正直にも『お父さんから言われて思い出した』と答えた(もうすこしうまく言えよ!)。かくして息子はあまり成長してないことが明らかとなり、母の日・第1の仕掛けには失敗した。

 続いて、問題の『シャトー ディケム』である。フランス、ソーテルヌ産の世界で最も有名なデザートワイン。年代物の『シャトーディケム』はこの世のものとは思えない味だとされており、到底我々が購入できる値段ではない。私は、かつて年代の新しい『シャトーディケム』のハーフボトルを飲み、その上品な味に感嘆した経験があり、夢よもう一度と以前より某ワインショップに比較的値段の手頃な『シャトーディケム1991年物』があることをチェックしていたのである。値段が手頃といっても、私のワインガイドライン『1万2000円以上のワインは買わない』を大きくはずれる値段ではあった。しかしフルボトルで年代もより古く、格安の値段であの『感嘆する上品な味』を『2倍楽しめる』ことを想像し、ここは奮発して購入に踏み切ったのである。
 一口飲んでがっかりした。味は某店のソーテルヌ シャトーダルシュやトカイワインと大差のない味であり、かつて経験した『感嘆する上品な味』にはほど遠かった。心配になり、ヒュージョンソンのポケットワインガイドを開いてみたら、『シャトーディケム』の91年物は載ってなく、91年はいわゆる『はずれ年』であることが判明した(購入する前にチェックすべきであった)。これで第2の仕掛けにも失敗したのである。第3の仕掛けにも失敗した。甘口ワインソーテルヌに『フォアグラ』は定番であり、わざわざ『フォアグラ』の缶詰を購入したが、缶詰を開けるのに失敗し、原形をとどめた形で『フォアグラ』を取り出すことができなかった。 かくして妻にはひどいことを言われた『あなたは不器用だからね』。こうして今年のわが家の『母の日』はたいした感動もなく淡々と過ぎていった。

 もう『シャトーディケム』やボルドー一般、ドメーヌロマネコンティーなどは叶姉妹に任せようと思った。これからは私は『ワイン通が嫌われる理由』の著者レナード バーンスタイン氏の『ロマネコンティーだって何だって、金さえ出せば誰でも飲める。財力そのものは尊敬の対象ではない。「この味でこの価格」、これこそがワイン通の勲章だ』の線で行こうと考えた。しかし『この味でこの価格』のワインを見つけるにはさらに沢山のワインを飲まねばならない。
 外来患者さんの飲酒量と肝機能の値を参考にしながら、自分の肝臓が『フォアグラ』にならないようにする道を模索している今日この頃である...。

◎ももんがに投稿をお待ちしています。投稿は片寄まで。

発行日:2006.04.97