【第10号】母の日のシャトーディケム
【院内診療情報】
◎4月より本田英行先生の担当外来は、月曜午後が片寄、水曜午前が我妻先生担当となる。
【診療にわずかに関係ある情報】
◎『タゾチャイティーラテ vs 桂枝湯チャイ』
スターバックスカフェで飲み物を注文する時、私はいつも呪文を唱える。『タゾチャイティーラテ トール』と。家族には『いいにくいから自分で注文して』と言い渡されているし、余計なことをいうと目的のものが出てこないことが何度かあったし・・・。そんなことで『呪文』なのである(ちなみにチャイとはインド風スパイスミルクティーのこと)。
このタゾチャイティーラテを飲んでいてふと思った。わが桂枝湯(ももんが5号『美味しい漢方』参照)を使えば、タゾチャイティーラテを凌駕するチャイを作れるのではないかと。早速、牛乳、桂枝湯2包とリプトン紅茶の袋をミルクパンに投げ込みチャイを作ってみた。これがなかなかの美味。砂糖をいれていないのにほんのり甘く上品な味である。しかし我が『桂枝湯チャイ』はスパイスのパンチ力でタゾチャイティーラテに負けていた。
チャイは、ミルクパンに少量の水を入れ、まず紅茶を煮出してから牛乳を追加して作るのが正式なやり方である。『正式なやり方』にすれば味が向上するのではと思ったが、『桂枝湯チャイ』の場合はこの『正式なやり方』ではどうしても味が薄くなってしまう。この段階の『桂枝湯チャイ』を飲んだ息子やMさんなどからは『実験中のものを飲ませたのか!』とおしかりの言葉を受けてしまった(すみません)。リプトン紅茶ではコクが足りないのかと考え、紅茶を「トワイニング紅茶アールグレイ380円』にグレードアップしたが、紅茶を濃くすると桂枝湯エキスの風味が消えてします。
スパイスのパンチ力増強目的で、チャイに加えると美味しくなるとされるカルダモンを入れてみた。カルダモンはカレー粉に含まれており、医局にあった『どん兵衛うどんカレー味』からカレー粉末を抜き取りチャイにひとふり加えてみた。これは最悪!。とうぜんのことではあるが、カレー粉末にダシの味が入っておりチャイとはなんともいえないミスマッチであった。カルダモンそのものも加えてみたが、ほんのり甘い桂枝湯の味がかえって損なわれた。家族には『そもそも桂枝湯でチャイを作るという発想が間違い』といわれたが、『桂枝湯で作らなければ意味がない』というこだわりが漢方専門医たる私にはある。とはいえ、桂枝湯エキスもしょせんインスタント。本物のチャイにはかなわないということであろう。スターバックスカフェで『タゾチャイティーラテ トール』の『呪文』は今後も唱え続けることになりそうである。
◎ももんがに投稿をお待ちしています。投稿は片寄まで。
発行日:2006.05.18