【第08号】シャンベルタンの謎!?(1周年記念特別号)
【院内診療情報】
◎我妻 惠先生 当院内科常勤医として赴任。主に消化器疾患担当。
◎本田 英行先生(内科)の外来は18年3月末まで。
【診療に少し関係ある情報】
◎『シャンベルタンの謎』
シャンベルタンはナポレオンが愛飲したことで有名なフランス『ブルゴーニュ赤ワイン』の銘酒であるが、某スキー場のレストランで飲んだシャンベルタンは美味しくなかった。その時の私にはソムリエに味がおかしいと訊く自信がなく、真相は闇の中。あのシャンベルタンは保存状態が悪くて美味しくなかったのだろうか、それともシャンベルタンそのものが美味しくないワインなのだろうか。これを解明する為には相当数のワインを飲まなければならないだろうな、肝臓には悪いだろうなとは思ったが、意を決して昨年暮れより『肝臓を賭けた』『ブルゴーニュ赤ワイン』研究を始めたのである。
シャンベルタン、ロマネコンティなど有名赤ワインの産地をかかえるブルゴーニュのコートドール(黄金丘陵)には74号線という道路が通っている。よいブドウは74号線の『西側』の丘陵地帯ででき、一方74号線の『東側』は、平坦な土地でブドウ栽培には適さない。困ったことに、ジュヴリ、シャンベルタン村では、『東側』でとれたブドウより作ったワインもジュヴリ、シャンベルタンのAOCワインとして販売されている。ジュブリ-シャンベルタン(村名ワイン)は銘酒もあれば駄酒もあるのである。私の飲んだシャンベルタンは『東側』であった可能性があるが、ラベルを見ただけでは『東側』かどうかは我々にははからない。
では『東側』のシャンベルタンを避けるにはどうしたらよいだろうか。村名ワインは避け、値段は張るがシャンベルタン クロ ド ベースのような特級や一級畑のシャンベルタンならば畑の場所が地図に載っており『東側』を避けることはできる。またあるワインバーのマスターに訊いてみたら『いい作り手のシャンベルタンなら大丈夫です』とのことであった。でも某ワイン雑誌にはロベール グロフィエという著名な作り手のシャンベルタン クロ ベースは美味しくなかったとある。作り手や畑を選んでもだめな場合もあるのである。ヒュー ジョンソンの『The Story of Wine』には、『ワインの味というものはひとつとして同じものはなく、味を予測することはできない』とあった。結局『肝臓を賭けた』私の『ブルゴーニュ赤ワイン研究』は無駄だった訳である。
この『ブルゴーニュ赤ワイン研究』の思わぬツケがまわってきた。夜になると無性に赤ワインが飲みたくなる体質になってしまったのである。心配になり血液検査を行ったところ、肝機能に異常はなかったものの、尿酸値、中性脂肪は上昇していた。赤ワインの摂取量を減らす為に、週末自分で料理を作ったときのみに赤ワインを飲み、余った赤ワインは飲まずにブッフブルギニオン(牛肉赤ワイン煮込み)やコックオーヴァン(鶏肉の赤ワイン煮込み)に使うという『赤ワイン利用クリティカルパス』を作成したが、赤ワインを用いる料理の殆どは肉の煮込み料理である。赤ワインに執着する限り高尿酸血症を避けるのは難しい。かといって白ワインに鞍替えする気はないし、和食を作ることにも興味はない。和食のようなあっさりした料理と一緒に赤ワインを飲むと赤ワインの渋みが強く感じられまずい。赤ワインのポリフェノールはやはりこってりした洋食を食べるためにあるのだというのが実感である。ラングドック地方(フランス南部)あるいはブルターニュ地方(フランス北西部)の魚料理あたりでなんとか尿酸値が落ち着いてくれないかと念じている今日この頃である。
◎N.Hさん(患者様)よりお便り
宮城利府掖済会病院のホームページへアクセスして今回『ももんが』を読ませていただきました・・・癒しの対象の一つとして『ももんが』の縫いぐるみを選ばれているお姿を想像すると何かしら、優しさがにじみ出ていてほほえましい気がいたします・・・北海道に『えぞももんが』アイヌ語でアツ・カムイ(子どもの守り神)またはイフンケ・カムイ(子守唄の神)と呼ばれていた、本州九州には、『本州ももんが』夜行性のため日中見つけることは難しい、木から木へ鳥のように飛ぶことができる、なにかしら私も『ももんが』に愛着を感じます・・・塩竃市内に居住して32年になります、出生地は大阪、東京でサラリーマン、縁あって塩竃市内で住むことになりそれ以来30年家内ともども掖済会病院のお世話になり今こうして元気で過ごすことが出来ています・・・病院の近くに日本三景の松島、県内に温泉、観光地にも恵まれ県外に出れば東北の名所、観光資源も豊富で、海の幸にも恵まれ癒し系の地としては最適です。今は当地に住んで良かったと思っています・・・『ももんが』がいつまでも色々な方々に愛読されるページでありますことをご期待申し上げます。
(片寄より) 病院という場の交流を通して、我々職員、患者様、ご家族の皆様は互いに成長し、また癒されていくものなのでしょう。そんな我々の営みを神たる『ももんが』が見守ってくれているのかもしれません。お便りありがとうございました。
◎ももんがに投稿をお待ちしています。投稿は片寄まで。
発行日:2006.02.22