公益社団法人 日本海員掖済会 宮城利府掖済会病院

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【第58号】流す 流れる

 近年地域のつながりは薄れてきている。よって問題が生じても地域からの支援は期待できず自分自身で解決していかなければならない。ストレスを受けたら自 らを自力で救済していかなければならないわけである。そのような今を生きる人たちの自力救済を陰ながら支援するために、この ほど改訂を予定している当方の外来の生活指導チェックリスト『片寄発セルフケア ver.3』では心のケアを加えることを考 えている。
 
 そこで『片寄発セルフケア ver.3』改訂お試し版では、統計のお姉さんサトマイさんの提案などを参考に□仕事を細分化 する、□ストレスを現象、受け止め方、体の反応、行動、結果にわけて分析する、□脳のスペースを作る、□60%をめざす、□ 行動する勇気をもつ、□ジャーナリングなどを付け加えてみた。しかしどうもとってつけた感が否めない。もっとセルフケアの奥 義をひとことで言い表せないものか・・・。そこで思いついたのが『流す』『流れる』である。
 
 『流れる』といえば・・・ひろせがわ~ながれるきしべ~おもいでは~かえらず~♪である。広瀬川は絶えず流れ水は澄んでい る。一方諫早湾では築かれた堤防が湾の水の流れを止め湾内の水は淀む。人間も同じだと思う。食べ過ぎやストレスでお腹の動き が悪くなると、エネルギーや血液の巡りが悪くなり、頭にエネルギーや血液が届きにくくなりめまいがおこりやすくなる。また頭 にこもった熱が流れていかないと頭痛となる。体が冷えているとエネルギーや血液を動かす力そのものが足りずに体の至るところ に滞りができ痛みがでる。心も同じである。心のなかにいろいろな感情がつまっていると気持ちが鬱々したりしてくる。すべては 滞りを流せば解決するのである。サトマイさんの□仕事を細分化する、□脳のスペースを作る、□行動する勇気、□ジャーナリン グなども心の滞りをなくし流れを作る方法の一つと考えられる。
 
 『流れる』、『流す』という考えは当方が長年漢方医学をやってきたことからでてきた考えだと思うが、考えてみれば東洋には 昔からそのような考えがあった。老子の道教では水のように流れに従って順応することが理想的だと教えているし、宮本武蔵も五 輪の書の中で固定は死で固定しないのは生だといっている。そういった東洋の叡知に満ちた?『片寄発セルフケア ver.2』 カミング スーン。まあ、外来診療時間の短縮には逆効果かもしれないが。
 

発行日:2026.01.19