【第14号】Dr.コトーvsDr.カタヨセ」開店休業!
【院内診療情報】
◎宮川英喜先生、院長就任
◎訪問診療を水曜午後隔週で行うこととなる
◎保険外診療での禁煙指導開始。希望者は片寄外来まで
◎インフルエンザワクチン施行中。予約不要。
【診療に少し関係ある情報】
◎『Dr.コトー vs Dr.カタヨセ』
今年の夏、石垣島に行った際、ガイドブックに与那国島に『Dr.コトー診療所』というテレビドラマのロケが行われた診療所が載っていた。その後『Dr.コトー診療所』の原作漫画本を手にして、この物語が700万人以上のファンを持つ大ヒット作品であるということを知った。Dr.コトーこと五島健助は、腕のいい外科医であったが、研修医のミスにより生じた医療事故の責任をとる形で、離島の診療所のDr.として赴任する。ここで外科医としての腕を十二分に発揮し、なんの病気でも治してしまう。そんな物語である。
あり得ない話である。いくらオフポンプ冠動脈バイパス手術が、人工心肺を必要としないからといって、離島の診療所で心臓手術ができるだろうか? 自分の肝臓破裂を薄らぐ意識の中でナースに指示を出して手術できるだろうか? 揺れる船の上で、腹膜炎併発の虫垂炎の手術ができるだろうか? 医学的にはDr.コトーは存在し得ないはずであるが、何故かDr.コトーは私にとってリアリティーがある。
大学に愛想をつかして離島の診療所の医師として赴任するDr.コトーに、大学では思うように循環器漢方ができず、教授から『どんな病院に赴任したいのか』と訊かれた時、『一人科長の小さな病院』と希望を出して大学を出た自分の姿になにか共通するものが感じるからなのであろう。こうなるとDr.コトーの一挙一動が気になって仕方がない。
Dr.コトーは鼻血の処置をするときセッシにコメガーゼを持ちクルクルと巻いて鼻に挿入していた。どこかの耳鼻科に行って取材してきたのだろうが、私が夜間の救急外来で、コメガーゼをただ鼻に詰め込んでいるよりは遙かに手際がよい。何となく悔しい。
Dr.コトーはいつもニコニコし患者さんに親切である。一方、Dr.カタヨセの睡眠時間がしばしば5時間を切ることがあり、睡眠不足になると『イライラしやすくなり』『親切にする余裕がなくなり』、いつでもDr.コトーのようにニコニコというわけにはいかない。 何となく悔しい。
重症患者を前にして、『Dr.コトーの患者は治るのに、なんでDr.カタヨセの患者は治らないのか』と悔しがって涙ぐんだら、病棟のスタッフに『先生、テレビドラマですよ!』と笑われた。今フジテレビ系で放映されている『Dr.コトー診療所2006』でのDr.コトー役は『北の国から』の吉岡秀隆である。配役からすればドラマはたしかに『南の国の美しい海岸を舞台にしたあり得ない医者の物語』という意味しかないのは明らかなのだが。
Dr.コトー気分を味わいたいと、当院の訪問診療指定医となることを自ら名乗り出て、水曜日午後を隔週で訪問診療の日として、利府町内の里山を訪問診療で駆け巡ることにした。 梨畑の合間をくぐっての訪問診療もまた美しかろうと想像したのである。しかし、現実は甘くない。訪問看護ステーションナースとのスケジュールがかみ合わなかったり、また訪問診療の患者さんが入院となってしまったりで、私の『Dr.コトー計画』は開店休業状態である。
ムルソー ドメーヌ リュー デューモン
2003 (約6300円)
最近の神の雫に登場した日本人作のムルソー (フランス ブルゴーニュの白ワイン)。エチケットに『天 地 人』と書いてあるので有名。仙台のいくつかのワインショップを回ったが見つけられず、はじめてワインをネットショップで入手することとなったケース。お陰で楽天市場に足がついてしまい、ダイレクトE-mailが楽天より届くようになってしまった。さて味であるが、上品だが、割と普通っぽいシャルドネの白に樽をちょっと効かせたという感じ。ムルソー特有のナッツ、バター的な風味にかける印象。普通のムルソーのイメージとは異なる。でも比較的美味しかったのでワインゼリーには回さなかった。
余談であるが、赤ワインが健康にいいというのは嘘だと思う。ここ2週間ほど試合に備えて減量すべくワインを断ったが、すこぶる体調は良い。健康的には飲まないで済むなら飲まないにこしたことはないようではある。
◎ももんがに投稿をお待ちしています。投稿は片寄まで。
発行日:2006.11.13