公益社団法人 日本海員掖済会 宮城利府掖済会病院

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【第12号】「巨大月餅」食べ物平和党?

【院内診療情報】

◎冷え症、耳鳴りなどに有効な『サフラン』採用
◎本田毅彦先生、7月一杯で院長職辞職。院長代行は宮川先生。

【診療に関係ない情報】

◎『巨大月餅』
 石垣島の公設市場の2階に『ちょっき屋』というお菓子のお店がある(『ちょっき』とは石垣島の言葉でお菓子の意味)。私の目は店先に置いてあった『丸ちょっき』という『巨大な月餅』に釘付けとなった。私は月餅大好き人間。横浜に行った時には必ず中華街に行き『華正楼』の大きな月餅を買って帰るのを常としている。しかしこの『ちょっき屋』の月餅の巨大さは華正楼の月餅の比ではない。華正楼の大月餅の5~6倍はある。妻は私がいつものように『変なもの購入』に心が動いているのを素早く察知してか『食べきれないよ』と購入抑制の方向で動いていた。妻の購入抑制が奏功したのであろう『それもそうだな』と思い、私は一度はその場を去った。しかしこの巨大な月餅を食べないと一生後悔し、夢にまで出てくるのではないかと考え、『ちょっき屋』に戻ってこの『巨大月餅』の購入に踏み切ったのである。『食べきれない』というのは杞憂であった。毎日朝はパンがわりに、夕はデザートとして、当直の日には真夜中の労働後の間食用として利用。息子が夜中まで帰宅せず心配して待っていたときは、ストレス解消に3切れ食べた。味も私の好きなパイン味のあんで消費はことのほか進んだ。そんなことで数日後にはあの『巨大月餅』はなくなっていた。

 この『巨大月餅』、現地ではご贈答用に喜ばれるのだという。ホールケーキ感覚の月餅ともいえる。思えば石垣島は本土よりは、むしろ台湾に近い場所にあり、『大陸棚は中国』理論を待つまでもなく、『ホールケーキ・月餅』理論によればここは中国である。沖縄、八重山諸島名物『ちんすこう』もラードを使用しており、味は中国菓子。サーターアンダギーとそっくりな中国菓子が華正楼にあったことより、サーターアンダギーもルーツは恐らく中国菓子であろう。そういえば、那覇市の『まんまるちんすこう焼きたて工房』で作っている丸いちんすこうは、我が仙台駄菓子の『マコロン』そっくりである(ももんが創刊第1号参照)。『マコロン』には中国菓子の血も流れているようである。お菓子的には我が仙台も中国の影響下にあるといえる。

 つくづく食べ物は国境をしらないのだと思った。食べ物はなんの抵抗もなく国境を越え他国の食文化にとけ込んでいく。月餅や、ちんすこうに限らない。フランスアルザス地方へのリースリングワインやシュークルートの浸透、フランス、バスク地方へのスペイン風トマト料理の浸透、アメリカ、テキサス州へのメキシコ料理の浸透など枚挙にいとまがない。そういえば、今戦争勃発中のレバノンの料理はニューヨークで大人気である。

 かつて、アントニオ猪木は『スポーツ平和党』を作ったが、『食べ物平和党』なんてどうだろう。そして私が『食べ物平和党の党首・・・?』そんな妄想が頭をよぎったこの夏の沖縄、八重山諸島巡りであった。

◎ももんがに投稿をお待ちしています。投稿は片寄まで。

発行日:2006.08.18