一般社団法人 日本海員掖済会 宮城利府掖済会病院

【第05号】美味しい漢方?

【院内診療情報】

◎11月より月曜日は午前中の片寄外来は本田先生に変更。
◎11月より金曜第1、2週の本田先生の外来は片寄が担当。
◎日本東洋医学会教育関連施設認定証交付される(院内1Fに掲示)
◎ももんがの写真は新シリーズとなる(17年10月20日に撮影会施行)

【診療に少し関係ある話】

◎美味しい漢方
外来のU主任曰く『漢方薬は美味しくないからねー』。たしかに(不幸にして?)呉茱萸湯(ごしゅゆとう)のような超まずい漢方を服用された方には『美味しい漢方』があるなんて想像もつかないでしょう。でも『美味しい漢方』はあるのです。まず漢方のおおもと(衆方の祖)と言われる桂枝湯(けいしとう)。桂枝湯は胃腸の弱い方がカゼをひいたときに服用するくすりです。シナモンとショウガの味が、私のようなシナボン大好き、八ッ橋大好き、ジンジャーブレッド大好き人間にとっては大変にうれしい、『飲む八ッ橋』といった感じの味です。

この桂枝湯に胃腸の動きをゆるめる芍薬を加えたのが桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)です。過敏性腸炎の治療薬として有名で、私も最近ストレスで過敏性腸炎気味のため、この桂枝加芍薬湯を常用しています。芍薬の苦みが少し加わった味ですが、桂枝湯類の美味な味はそのまま引き継いでおり、毎朝食べる桂枝加芍薬湯入りヨーグルトは『スパイシーヨーグルト』といった感じでなかなかいけると思っています。ただ家族の視線は冷たいです。かつて私が冷え症の家族の為に薬膳粥と称して、釜いっぱいに作った当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)入りお粥がよほどいやだったとみえます。

さて桂枝加芍薬湯に水飴の甘みが加わった処方が虚弱体質の治療薬、小建中湯(しょうけんちゅうとう)です。シナモンに砂糖の甘みが加わっている訳ですから、むしろ『飲む八ッ橋』は小建中湯かもしれません。参考までに、腸閉塞の治療薬、大建中湯(だいけんちゅうとう)は、水飴に蜀椒(しょくしょう)入り。蜀椒は四川風麻婆豆腐に入っている花椒(ホワジャオ)と同種でしょうから、『飲む四川料理』といった味なのでしょうか。 その他、柑橘系の風味が爽やかな六君子湯(りっくんしとう)、素朴な甘みが美味しい咽頭炎治療薬、桔梗湯(ききょうとう)などはいわば『フルーツ系漢方』といえるでしょう。

食前酒に『飲む八ッ橋』、メインディッシュに『飲む四川料理』、デザートは『フルーツ系漢方』といった『漢方フルコース』・・・フレンチの代用として食べれば案外ダイエットにいいかもしれませんが、虚弱体質で、冷え症で、腸閉塞気味で、咽頭炎がある方限定ということになりますのでご注意ください(念のため)。

◎ももんがに投稿をお待ちしています。投稿は片寄まで。

発行日:2005.09.01